Money Management!

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独立FP法人 銀座なみきFP事務所

銀座なみきFP事務所

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コイン収集のすすめ


みなさんこんにちは。

今回は久しぶりにコインのお話しを
させて頂きます。

私自身のコイン収集は、いまから遡ること40年以上、
小学生のころが始まりでした。

といっても子供のころはホンの少しのお小遣いで、
成人してもそれに少し毛が生えた程度の少額でコツコツと、
真剣に集め始めたのは10年ほどまえからです。

このように多少の強弱のあった40年ですが、
実はコイン収集という同好をお持ちのかたと、
いまだかつてお会いした記憶がありません。

小学生のころも、
高校生のころも、
成人してからも、

コインの話しで友達と盛りあがった記憶など
一度としてありません。

気の合った友達と、一度ゆっくりとコインについて語り合いたいと
いう気もするのですが、残念ながら相手になってくれるのは
コイン商の人たちだけ・・・

コイン商だけが唯一コインの魅力を語れる
相手というわけです。

コインはいいですね・・・

まず一枚一枚に歴史の重みがあります。

例えば古代ギリシャ時代のふくろうの銀貨。

発行された場所は古代ギリシャのアテネ周辺、
図がらはユーモラスなふくろうの絵です。

発行された時期は紀元前2世紀で、いまから2000年以上前、
なんとそのころ日本は縄文時代でした。

この2000年の間、いったいどんな人の手に渡り、
その持ち主たちはこの銀貨と引き換えに、どんなものを手に入れた
のか・・・ギリシャで2000年以上前に造られたコインが、
一体どんな旅の末に僕の手の中に収まったのか・・・
などなどつらつら考えますと興味が尽きません。

あるいは古色を帯びたやや大きめの安南の明命通宝。

安南という国は既にありませんが、まあいまでいうところの
ベトナムといってよいでしょう。

19世紀に発行されたベトナムの通貨に、
なぜ漢字がつかわれていたのか・・・

現在ベトナムで漢字は使われることはありませんが、
当時は漢字が使われていたのですね、中国の周辺国という意味で、
日本や韓国と同類ではありますが、どうしてベトナムは漢字を放棄し、
日本や韓国は漢字を使い続けたのか。

僕は歴史が好きなので、それぞれのコインにまつわる歴史を
調べることも楽しみの一つです。


コインのもう一つの楽しさは運用資産としての
値上がりです。

これはよく言われることですが、コインは株や債券などの
証券と違って再生産されることはありません。

もちろん流通用のコインは、常に世界中で大量に製造されて
いるのですが、収集の対象となるのはそのような一般的なコインではなく、
歴史的コインです。

なかでも希少性の高いコインは、一度収集家の手に収まって
しまえばそれまでで、なかなか市場に姿をみせることはありません。

これに対し、新興国中心に世界の富裕層は急速に増殖を
続けており、このような希少性のある歴史的コインを保有した
みたいと考える人は徐々に(あるいは急速に)増えている
ようです。

数年前のロシアのコインや、一昨年の中国のコイン相場の急騰
などをみれば明らかですし、昨今では我が国の明治時代の
金貨や銀貨ですらも、既に彼らの収集対象になりつつあるようです。

あるいはこれから多くの富裕層が誕生するであろう地域、
例えばインドやASEAN諸国、ブラジルなどのコインも
今後は面白いのではないでしょうか。

これらの地域のコイン相場は、ここ十年ほどで随分上昇
しましたが、それでもまだ割安感が漂っているように思います。

コインはペーパーマネーと違って、保有したいと考える
ヒトの気持ちが緩やかですね・・・別の表現を使うとすれば、
保有者の時間軸がよほど長いというべきかもしれません。

例えば株や債券のように相場が下げたからといって、
あわてて売りに出すような人はいません。

それだけにお金の出入り、とくに出の部分がおとなしく、
相場が崩れにくいえるのではないでしょうか、このことは
私自身の体験からも裏付けることができます。

 

日本人も、もうすこしだけコインに目を向けて
もよいのではないでしょうか・・・

 


では、今回はこのへんで。
(2012年5月8日)


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| ginzafp | コイン収集 | 14:10 | comments(0) | - |
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30%の負けを取り戻すには


みなさんこんにちは。

例えばここにAというファンドがあったとしましょう、
ファンドAの過去6年間のリターンが

・2006年(−30%)
・2007年(+30%)
・2008年(−30%)
・2009年(+30%)
・2010年(−30%)
・2011年(+30%)

だった場合、このファンドはこの6年間で、いったい
どれだけのリターンをあげたことになるでしょうか。

この間のリターンの単純平均(注)はゼロ%ですので、
一見しますとトータル・リターンもゼロになるような気がしますが、
実はそんなことはありません。

注)この場合は各年のリターンをたし、6で割った値。

仮にファンドAが1000円で運用をスタートした場合、
2011年末には753円となり、この6年間で約25%の負けと
なってしまいます。

なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか・・・

簡単にいってしまいますと、30%の負けは30%の勝ちで
とりかえすことができないということです。

例えば2006年をみてみましょう、ファンドAは1000円
で運用が始まりますので、2006年末には30%減って700円
で終わっているはずですね。

これに対して2007年は30%の勝ちですから、
同年末には910円になっているはずです。

700円×1.3=910円

初年度に30%減って、2年目に30%増える・・・

その結果2年のトータルで9%の負け
というわけです。

なぜこんなことになってしまうのでしょうか、
ちょっと不思議な感じですよね。

簡単に言いますと発射台が違うので、
同じ30%でも、その絶対額が違ってくるからです。

具体的にいいますとこうです。

2006年の発射台は1000円ですから、その30%は
といいますと300円になります。

これに対し2007年の発射台は700円に減っていますから、
同じ30%増でも210円しか取り返せないというわけです。

この700円という低い発射台から、初年度の損失分300円を
取り返そうとしますと、30%ではなく約43%のリターンが
必要になってしまいます。

1000円÷700円≒1.43

もっと簡単にいいますと、0.7を1に戻すためには
+30%ではなく、+43%が必要だということです。

30%へこんで0.7になった場合、30%の勝ちで取り返せそうに思いますが、
実はこの負けを取り返すためには43%の勝ちが必要だというわけですね。

ご参考までにプラスとマイナスの順番を入れ換え、

・2006年(+30%)
・2007年(−30%)
・2008年(+30%)
・2009年(−30%)
・2010年(+30%)
・2011年(−30%)

としても、2011年末時点のファンドAの時価は753円で、
冒頭のケースと同じ結果です。

では続いて応用問題です。

ここにBというファンドがあり、このファンドはファンドAより
ブレ幅が小さく、下記のように毎年プラス10%とマイナス10%の
間で振幅するとします。

・2006年(+10%)
・2007年(−10%)
・2008年(+10%)
・2009年(−10%)
・2010年(+10%)
・2011年(−10%)

この場合のファンドBも、各年のリターンの単純平均はAと同じく
ゼロです。

さてファンドBとファンドA、どちらのトータル・リターンが
高いでしょうか。

答えは圧倒的にBの勝ちで、この場合の2011年末時点の
ファンドBの時価は約970円と、さきほどのファンドAの
ケース753円を大きく上回っています。

日常的な感覚とは少々違いますので、皆さんのなかには
少し戸惑われた方もいらっしゃるかもしれません、
ここから導き出せるのは、毎年のブレが小さいほど
(単純平均が同じでも)結果的に高いリターンが得られる
ということです。

イメージで申し上げますと、例えば

・1年目+40%
・2年目−30%
・3年目+50%
・4年目−40%
・5年目+35%
・6年目−25%

という成績より

・1年目+20%
・2年目−10%
・3年目+10%
・4年目±0%
・5年目+15%
・6年目−5%

のほうがずっといいということになります。

ちなみに上記の単純平均はいずれも5%ですが、
6年間のトータル・リターンは前者は−10.7%、
これに対し後者は+29.8%となります。

皆さんが資産を運用される場合、もちろん単年度の
リターンも重要ではありますが、毎年のブレ幅の重要性も
理解しておく必要があるのではないでしょうか。

 

では、今回はこのへんで。
(2012年4月24日)


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| ginzafp | 資産運用 | 14:48 | comments(0) | - |
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購買力平価のわな


みなさんこんにちは。

申し訳ございません、
今回は少し難解なお話しになると思います、
苦手なかたは読み飛ばしてください。

では改めまして・・


インフレ国であるA国の通貨は安くなり、
デフレ国であるB国の通貨は高くなる。

これはAB両国の物価変動率の差が、為替を決定するという考え方、
つまり『購買力平価説』に基づいた考え方です。

この考え方は金融の世界ではごく一般的なもので、
経済の教科書などでは必ず説明されています。

いつも申し上げていますが、私はこのような『購買力平価説』
の使い方には違和感を覚えていますし、同時に大きな欠陥が
あると考えております。

まず、

「デフレ国の通貨は高くなる」

というロジックをよくよく分解して考えますと、
この現象のなかに、ひっそりと(あるいはこっそりと)仕組まれた
共鳴現象を見つけることができます。

例えばB国で通貨高になりますと、輸入物価は下がり、
必然的に国内の物価水準も下がります、つまりデフレに
なるということです。

従ってまず、

通貨高→デフレ

となるわけですね。

次に購買力平価説に基づいてデフレ国の通貨が高くなるなら、
ここからB国はさらに通貨高となり、

通貨高→デフレ→通貨高

となります、さらにその通貨高によって輸入物価が
下がり、国内の物価水準が下がる・・

従って

通貨高→デフレ→通貨高→デフレ・・・

となるわけです。

要するにこれは通貨高とデフレが共鳴し合い、
無限のループをつくるということです。

その結果延々とB国ではデフレが進行することに
なり、通貨も無限に高くなります。

2つの要素が共鳴し合い、ループを形成しながら
進行するとき、そこに必ずバブル(行きすぎ)が起きる
ことに留意しておく必要があります。

いまの日本に当てはめてみると、現在の1ドル=80円から
どんどん、それこそ延々と円高が進み、理論的には
1ドル=50円もありうるでしょうし、30円になっても
不思議ではないということになるわけです。

そもそもこの「両国の物価変動の差が、為替を決定する」
という考え方の中に、上記のようなループ現象が組み入れ
られていますので、結果的に円は無限に上昇を続けることに
なるはずです。

でも私たちは体感的にそのようにならないことを
知っています。

では明らかに矛盾をはらんだこの考え方の欠陥は何なの
でしょうか・・・

購買力平価説(両国の物価変動率の差が、為替を
決定するという考え)は、過去に起きた現象や現状を説明して
いるに過ぎないのであって、決して今後の為替水準を
予見するものではない。相場予想にとって大切なのは、
むしろファンダメンタルズで、突き詰めればそれは
両国の国力の差だ。

このように考えておくべきなのではないかと
私は思います。

購買力平価説は、将来を予想する際には使えず、
従って例えば、

「日本は今後もデフレが続くから円高だ、
だから円高に備えよう」

というような使い方は、なじまないのではないでしょうか。

購買力平価の正しい使い方は、

「今後円安に転じた時はインフレだ、
だからインフレに備えよう」

ではないでしょうか。

逆に市場参加者が、前者のように購買力平価説を相場
の予見ツールに使用するのであれば、今後危険な罠に
陥る可能性があるわけです。

それはファンダメンタルズからみて
妥当な為替水準から大きくかい離した時、急速な逆の
ループが始まるということで、こんどは無限の
円安・インフレのループです。

市場参加者の多くが、購買力平価説のわなにはまっている
現状を踏まえますと、一応そのような可能性も念頭に
おいておくべきではないかとも思います。


では、今回はこのへんで。
(2012年4月17日)


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| ginzafp | 為替 | 13:38 | comments(0) | - |
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この揺らぎの世界で-2


みなさんこんにちは。

始点における僅かな揺らぎは、
時の経過とともに増幅され、
さらに外部から来る揺らぎとも共鳴しあい、
思いもよらない未来を織りなしてゆく・・・

その意味で私が身を置く資産運用の世界でも、
想定外は常に起こりえます。

もちろん私のような専従者でなくとも、
この金融の世界で起こりうる想定外から、
無関係でいられるひとなど誰一人としていないでしょう。

例えば2008年に起きたリーマン・ショック。

あのような大規模な金融メルトダウン現象を、
一体どれだけの人が想定できたでしょうか。

あるいは我が国で1990年代の後半から、
2003年にかけておきた金融不安・・・

さらには2009年末に始まって、いまだに収束をみない
欧州の金融不安。

もちろん中にはこれらのショックを、預言者のごとく
言い当てた人もいたでしょう。

ただ仮にそれを言い当てたところでいかほどの意味があるのか・・・

未来が揺らぎの産物である限り、それを言い当てることなど土台不可能、
たまたま当たったとしても、それは宝くじに必ず当選者が
いることと、本質的には同じではないでしょうか。

であれば危機の予見自体にさほど意味があるとは思えず、
むしろ想定外そのものを必然の揺らぎと考え、
それに備えておくことのほうがよほど重要ではないかと、
私などは思います。

ではその備えとはいったいどのようなものであるべきなのか。

中途半端な分散は無意味に等しく、本当の意味で、
質的かつ地理的な分散が必要なのではないかと私は
思います。

仮に海外で起きる金融危機に備えるのであれば、
国内の資産は重要な意味をもちます。

逆に我が国で起きる財政危機に備えるのであれば、
一部の資産を海外で運用しておくべきでしょう。

さらに国内外が連鎖的な危機に見舞われた場合、
ペーパーマネーではなく現物資産、すなわち不動産や
貴金属などは究極の退避先になるでしょう。

つまり一言で申し上げれば海外の資産、国内の資産に加え、
国内外の現物資産へのメリハリの効いた分散が求められる
ことなるのではないでしょうか。

想定外のショックに見舞われて、
万一資産の一部が大きく毀損しても、
致命傷は回避すること。

言い換えれば残余の資産で生きてゆけるようにしておくこと。

特に富裕層に属する方にとって、この考え方は重要では
ないかと私は思います。

 

 


では、今回はこのへんで。
(2012年4月10日)

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| ginzafp | 社会現象 | 14:44 | comments(0) | - |
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この揺らぎの世界で


みなさんこんにちは。

私たちが日々生きてゆく日常で、
なかなか意識しづらいことではありますが、
世の中で起きるあらゆる現象は、揺らぎの
なかにあるといえるのではないでしょうか。

例えばお天気。

地球上に並べられた陸と海の形は、
もう何万年も変わっていないはずなのに、
お天気は一日として同じではありません。

ほんの僅かな気圧配置の違いで、
雨が降ったり晴れたり、風が吹いたり・・・

あるいはパチンコ玉の軌道。

何千発も打っているのに、
一つとして同じ軌道を描くことはなく、
好き勝手に飛び跳ねて落ちてゆく・・・

あるいは私たちが踏み出す一歩。

いくら同じ歩幅で歩こうとしても、
厳密に測ると恐らくミリ単位で幅は違うはず。

もしかしたらあらゆるものには揺らぎがあり、
その揺らぎの組み合わせのなかで、時は流れて
いるのかもしれませんね。

流れる時のなかで、どこに始点があるのかよく解りませんが、
始点における僅かな揺らぎは、時の経過とともに増幅され、
さらに他の揺らぎ達とも複雑に絡み合い、そしてさまざまな
未来を織りなしてゆく・・・

私たちが時おり予想だにしない驚天動地の出来ごとに
遭遇するのは、このためではないでしょうか。

その意味で想定外は必ず起きる。

想定外、想定外・・・

確かに想定外のことが起こり得るのが揺らぎの
世界ですが、想定の放棄を想定外という安易な言葉で
ごまかすことは怠惰と同義だと私は思います。

想定外という言葉は、極限まで揺らぎを想定しようと努力
したものにだけ、使うことを許された言葉ではないでしょうか。

 

 

では、今回はこのへんで。
(2012年3月27日)


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| ginzafp | 社会現象 | 16:12 | comments(0) | - |
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金はどこまで上がるか

 みなさんこんにちは。


金の上昇相場はまだまだ続き、
数年後に1オンス=8000ドルになる。

このような強気の人達もいれば、その逆に

すでにピークを越えており遠からず下げに転じる。

このような考えの人達もいます。

果たしていまの金の価格はまだ上昇し続けるので
しょうか、それとも既にバブル状態なのでしょうか・・

この答えを得るために、一見遠回りにもみえますが、
私はまず金という商品の性格について考える必要があると
思います。

例えば金という金属と、原油や非鉄金属など私たちが
生きてゆくために不可欠な資源を比べてみましょう。

原油は現在1バレル=100ドル後半(WTIもの)ですが、
仮にこれが120ドル越えが定着するとどうでしょうか。

まず日本と比べガソリンへの依存度が高い米国で、
庶民は自動車による移動を控え、その結果消費活動全体が
抑制される可能性があるでしょう。

逆にもし自動車による移動を抑制しないなら、他の消費を
抑制してしまう可能性もあるでしょう。

原油高は結果的に米国の景気に悪影響を与え、
その結果こんどは原油の消費が減って原油価格が下がる・・・

つまり原油価格と景気はお互いに影響しあいながら、
妥当な水準を探しつつ推移するというわけです。

原油を例えば銅などの非鉄金属に置き換えても同じで、
まあ大雑把にいってしまえば産業用商品の相場は、
押しなべてその時々の景気と共鳴しながらも、
妥当な水準のなかで決まってゆくといってよいのでは
ないでしょうか。

ですから決して天井知らずの相場など、
ありえないわけです。

これに対しては金はどうでしょうか。

金の相場を考える場合、唯一金という金属が
もっている特殊性について理解しておく必要があると
私は思います。

上記でふれた原油にしろ銅にしろ、私たちがそれらを
買い求める理由は、それらが私たちが生きてゆくうえで、
必要不可欠だからのはずです。

例えば原油はエネルギーとして使用したり、加工して自動車を
走らせたりできます。また銅は電線として使ったり、変形
させて自動車の部品に加工したりといった具合にです。

よく考えてみるとあらゆる資源は、(一時的な投機行動を除き)
このような産業の原料としてのみ使用され、その希少性と有用性に
よって価格が形成されるといってよいのではないでしょうか。

金の特殊性はここにあると思います。

すなわち金のみが唯一産業に供されることなく、
利用され続ける(注)という点です。

注)金は産業用途でも約10%を消費されますが、
  お話しを簡単にするためここではそれについてはふれません。
  あるいは銀も貨幣として、宝石は観賞用として使用されることが
  ありますが、上記同様ここではふれません。

金がもつこの特殊性は、また金の相場形成にも特殊性を
もたらずはずです。

例えば冒頭の原油の例で、原油価格の高騰によって
米国の個人消費が減少し、その結果景気に対して悪い影響を
与えると申し上げましたが、金の場合はどうでしょうか。

基本的に金は産業利用されることはありませんので、
金の相場は景気に対しては中立(注2)といってよいでしょう。

注2)金を保有している人のなかには、消費を増やす人もいる
   かもしれませんが、金は株や不動産に比べ市場が小さく、
   そのような資産効果も低いとしてここでは無視します。

簡単にいってしまえば金は原油や銅と違って、相場が上がって困る人は
それほどいないわけです。

さきほど原油や銅の場合、「景気との共鳴の結果、妥当な水準に
おちつく」と申し上げましたが、金の場合このような共鳴は起きず、
したがって妥当な相場水準などハナから無いといってよいのでは
ないでしょうか。

つまり本質的に、金の相場の上限を見つけることは難しい
作業なのでしょう。

ですから例えば「金は○○○ドルまで上がる」的な予測は、
その予測自体がさほどの意味をなさないと私は思っています。

ではいったい金の相場はどこまで上がるのでしょうか。

私自身はこの質問に対し、「今の金価格の上昇をもたらしている
経済の構図が崩れるまで」とお答えするようにしています。

ではその「世界経済の構図」とは、
いったいどのようなものなのか・・

私は端的に申し上げて『先進国経済の低成長化と
新興国経済の台頭の組み合わせ状態』だと考えております。

我が国では1990年代の後半、
米国では2008年のリーマン・ショック以降、
欧州では2009年のソブリン危機以降、

特20世紀の末あたりから、先進国では低成長化の弊害が
顕著に表れ始め、財政出動と金融緩和政策が繰り返えされてきました。

かつての高成長期と違い、景気後退期に起きる社会的ダメージが
大きすぎ、その都度未曾有の対策が要求される・・・

先進国でこのような構図が定着してしまったかのようですね。

結果としてとられる先進国側の金融緩和政策は、地球の裏側で
高成長が続く新興国の深刻なインフレを招きます。

このような悪影響への配慮から、先進国では景気が十分に
回復する前に、金融引き締めに転じざるをえないわけです。

その結果、先進国経済は慢性的な低成長状態から抜けだせず、
いずれどこかでまた金融危機が起きる・・・

そしてその対症療法として、

大量に発行される国債、
大量に印刷されるマネー、
政府の信任は衰え、
紙幣の相対的価値は薄まる、

結果として起きる相対的な金の価値の上昇・・

これが私が考える金価格を上昇させる「世界経済の構図」です。


現在の金相場の上昇は1999年ごろ、1オンス=300ドルの
少し手前あたりからはじまっていますが、この間世界で
概ねこのような現象が繰り返されてきたといえるのでは
ないでしょうか。

ではいつになれば世界は、この不安定な状態から
抜け出せるのでしょうか。

私は新興国経済が先進国に追いつき、
世界の南北間格差が縮小するまでと考えております。

なかでも人口の大半を擁するアジア、とくに
中国とインドが安定成長期に入るまでは、このように
世界的に不安定な状態は続くのではないでしょうか。

ただそのさき仮に世界経済が新しい秩序のもとで、
安定を取り戻すとしたらどうでしょうか。

世界は一体的な経済政策をとりやすくなりますし、
新しい基軸通貨体制の構築も、少なくとも今よりは
現実味を帯びていることでしょう。

逆に申し上げればそのような状態になるまで、
金の価格は上昇しつづける可能性があると私は考えています。

 


では、今回はこのへんで。
(2012年3月22日)


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ロシアという国


みなさんこんにちは。

ロシア人は好きだが、
ソ連という国は嫌い。

まだ若かったころ、
私はよくこの言葉を耳にしました。

ソ連という国は既にありませんが、
ソ連をロシアに置き換えてみても、いまだこの言葉に
さほどの違和感はないのではないでしょうか。

日本人のみならず、多くの人々がロシアに対して抱いている
このイメージは、この国の成立過程による部分が大きいのでは
ないでしょうか。

ロシアの系譜は9世紀まで遡ることが出来るそうですが、
現在のロシアという国の性格を決めたのは、その草創期ではなく、
むしろ13世紀以降のモンゴルによる支配期ではなかった
でしょうか。

250年間にもおよぶ長い支配と搾取を受けた結果、
少数のモンゴル人によって多くのロシア人を支配するため、
不自然な統治スタイルが定着してしまったのかも
しれません。

あるいは多少の混血もあったでしょう。

かくしてモンゴル的、あるいは東洋的な体質が、
極端な形でロシアに受けつがれ、そして今に至っている、
これが冒頭のイメージにつながっているのかもしれません。

現在のロシアという国をみても、ヨーロッパ的な洗練とは程遠く、
多分に後進性を残しているように感じます。

例えば2008年の原油高騰期、原油価格は120ドルを超え、
同国の経済は大いにうるおいました。

当時何千万円もする携帯電話や、億円単位のクルーザーが、
富裕層向けの展示会で飛ぶように売れたという報道を見た記憶が
あります。が、一方で例えば将来の原油枯渇を見据え、計画的な
資源開発が行われたという類の報道は聞いたことがありません。

つまり原油相場が高い時はいいけど、よってたかってまたたくまに
消費しつくしそのあとには何も残らない、ロシアという国は、
つまりこれの繰り返しではないかと思うわけです。

日本人も随分バブルに踊りましたので、いまさら人様のことを
とやかく言えた義理ではありませんが、日本は自ら汗水たらして
稼いだお金に酔ったという点で、地下資源だのみのロシアより、
多少ましと言えるかもしれません。

仮に原油価格高騰によって増えた税収で、例えばシベリア
あたりを計画的に開発していたとしたらどうでしょうか。

多少なりとも原油相場に左右されにくい経済を、
構築できたのではないでしょうか。

私はロシア人の知り合いはいませんが、ときどき
報道などで目にするロシアの庶民には好感をもっています。

が、こと経済という観点でみますと、少なくとも私自身のお金や
私のお客さんのお金を、この国の株式市場に投じようという
気持ちにはなれません。

 

 


では、今回はこのへんで。
(2012年3月15日)


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自由闊達にして愉快なる理想の工場


みなさんこんにちは。

ここのところ我が国経済は元気がなく、
あまりよいお話しを聞きません。

聞こえてくるのは寂しいお話ばかり・・・

松下が7000億円の赤字、
ソニーが四年連続の赤字、
エルピーダの破綻、
リチウム電池、国別シェア首位陥落、

僅か30年ほど前は日の出の勢い、
世界最強の製造業と呼ばれていたのに・・

たかだか30年ほどの間で、なぜこのような
寂しい感じになってしまったのでしょうか。

原因の一つは円高にあることは間違いないでしょう。

あるいはよくいわれるように、一つの業種に多くの企業が集まり
すぎているのかもしれません。

また国内人件費の高騰によって、他国との競争が厳しく
なったということもあるでしょう。

客観的な理由を探しますと、それらしい理由は
いくつも見つかるのですが、私はこのような環境の変化より
もっと深刻なこと・・・日本人の内面に巣食う病が災いしている
ような気がしてなりません。


私が長年勤めていた電気メーカーの設立趣意書には、
以下のような一文がありました。


『真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき
自由闊達にして愉快なる理想工場の建設 』

その会社の設立目的の第一条として書かれていた
ものです。

決してひいき目でなく、私は日本の製造業の躍進の原点は、
上記一文に代表されると思い続けてきました。

ひるがえって今の我が国の製造業はどうでしょうか。

唯一「真面目」という点では先人のめがねにかなう可能性は
ありますが、果たして「技術者がその技能を、最大限に発揮できる
環境」が整っているでしょうか。

あるいは社内で技術者が自由闊達に議論し技能を高めあう、
社内にそのような空気はあるでしょうか、
理想の工場は日本のどこかにまだあるのでしょうか。

社内で出世する人間はといえば、管理と数字に長けた人達ばかり、
派閥争いは絶えず、ひたすら他人を凌駕することのみに
明け暮れる日々・・・

全ての会社がこのような病に犯されているとはいいませんが、
少なくとも大企業全般に見られる傾向の一つであることは
まちがいないでしょう。

モノを作る単純作業を機械が行うようになって、
労働者の質による差別化が難しくなり。

続くPCやネットコミニケーションの発展によって、
事務系職員の質も既に差別化の決めてではなくなって
しまいました。

つまり製造ラインにおいても、また間接部門に
おいても新興国企業との差別化は、構造的に難しくなって
しまったのではないでしょうか。

製造業の近未来において、もはや先進国と新興国の
境界はなく、あるのは技能や創造性といった、いわば
従業員一人一人の地力の差だけ・・

ここのところあらためて『真面目なる技術者の技能を、最高度に
発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設 』
の意味を考えています。

もともと日本人には技能的な素養に恵まれていると
私は思います。

明治以降やさきの高度成長期以降をみても顕著な事例が沢山ありますが、
それ以前たとえば江戸時代、あるいはもっとさかのぼっても、
多くの事例をみつけることができます。

蒸気船を日本で初めて試作した人たちのお話し、
近代日本地図の作成に関するお話し、
からくり時計やからくり人形の技術の高さ、
堂島の米先物取引所創設のお話し、
鉄砲伝来以降の大普及のお話し、

いずれも素養として日本人が豊かな創造性を
もっていたことをうかがわせる事例です。

残念ながらこのような能力がいまは埋もれているだけ・・・
そんな気もするわけです。

日本人がかつての輝きを取り戻すためには、いっそここいらで大きく沈み、
いろんな意味で一度社会をリセットしたほうがよいのかもしれませんね。

 

 

では、今回はこのへんで。
(2012年3月6日)


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コイン相場からみる中国経済


みなさんこんにちは。

たかがコインといってバカにしてはいけません、
希少なコインの中には驚くほど高価なものもあります。

例えば我が国の明治3年以降に発行された旧20円金貨、
状態の良いものですと軽く1000万円を超えます。

値段もさることながら、コインの相場の推移をみておりますと、
いろいろなことが見えてきて面白いですよ。

例えばコイン相場とその国の経済力の関係です。

そもそもコインの相場は何によって決まる
のでしょうか。

例えば

金や銀などの地金価格の上昇、
あるいは市場に溢れたマネーの流入、
さらには国民が豊かになることによる購買力の上昇、

これらがコイン価格の上昇要因で、簡単に申し上げますと、
その国の経済状態がコイン価格に大きな影響を与えると
いってよいでしょう。

ですからコイン相場の推移をじっと見ておりますと、
その国の経済の状態を感じることができるという
わけです。

例えば我が国のコイン相場を見ておりますと、
あの懐かしいバブル崩壊以降、目立った上昇がない
ばかりか、冒頭ご紹介の金貨などは、金の地金相場が
上昇しつづけるなか価格はむしろ下落傾向にあります。

これは財務省が保有していた金貨を、
2005年以降オークションで売却し続けたという特殊要因も
ありますが、まあ四捨五入して申し上げれば、それも
日本の経済力低下と無関係ではないでしょう。

これと対照的なのが新興国で、なかでも数年前の
ロシアのコインは驚くほどの上昇をみせました。

当時は原油価格が高騰し、ロシアでは数千万円もする
携帯電話やクルーザーなどがバンバン売れた・・・
まさにあの時期です。

原油価格の上昇など資源高で潤った人たちが、
競ってコイン相場を吊り上げたのでしょう。

その後は皆さんご存知のように、リーマン・ショックを
挟んだ原油価格の暴落があり、ロシアのコイン相場は
急落しました。

ただ昨年以降ロシアのコイン相場は持ち直しています、
これも原油価格の上昇が大きく影響しているとみて
間違いないでしょう。

このようにロシアのコイン相場は資源価格、なかでも
原油相場との相関性が高いのですが、お隣の中国に
ゆきますと少々事情が違って参ります。

中国のコイン相場で特筆すべき年は、まさに昨年だった
といってよいでしょう。

例えば「大清銀幣」という、清朝末期1800年代後半に発行
された銀貨があります。

昨年あるヨーロッパのオークションでこのコインが
競売にかかったのですが、当初の落札予想値100ユーロに対し、
実際の落札価格は8000ユーロと驚くような値がつきました。

あるいは同じく昨年末、我が国「銀座コイン」のオークションに
かけられた袁世凱のコイン6枚セット。こちらは予想値5000円に
対して落札価格は何と55万円でした。

いずれも中国人による落札ではなかったでしょうか。

ただし調子がよかったのはそこまで、
その後は中国コインの相場は急降下しました。

中国のコイン相場はロシアと違って、
国内の不動産市場の影響を受けやすいようですね、
ご存知のように中国では昨年不動産への投資規制を強化し、
一部の都市では不動産価格は急落しました。

同国の場合人口密度が高く、都市部の不動産に対する
ニーズも高く、これは日本同様に構造的なものではないでしょうか。

そして一旦金融が緩和され過剰なマネーが市場に供給されますと、
不動産相場は急騰しやすく、不動産一旦集積され、かつ増幅された
マネーが、他の投機対象に流出するという構図があるようです。

簡単にいいますと中国において不動産は、
マネー循環のポンプのような役割を担っている
のではないでしょうか。

不動産価格の高騰時には、不動産内部で増幅されたマネーが
激しく放出され、逆に不動産価格の下落時には、一気にその
流出が止まり、株やコイン、美術品などの相場が急落するという
イメージです。

仮にこの見かたが正しければどうでしょうか。

ここのところ中国当局が最もいやがるインフレも
やや落ち着きをみせていますし、不動産価格の過熱感も徐々に
薄れてきています。また地域によってですが、不動産への規制を
ゆるめようとする動きもみられます。

今後また当局が規制を緩和し、不動産相場が反転する
ようなことになれば、再び中国のコイン相場も反転する
可能性はあると私は思います。

 

 

では、今回はこのへんで。
(2012年3月1日)


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インフレの足音


みなさんこんにちは。

朝めが覚めて仕事にでかけ、
仕事を終えて家に帰る、
夜が来るとまた眠る、

そして今日も一日が過ぎてゆく・・

いつもの単調な日々を過ごすなか、
私たちはよほど目を凝らしていなければ、
日常に起きる変化にとんちゃくしないものですが、
あとから考えてみて初めて潮目の変化を感じることも
あります。

例えば先週の日銀政策決定会合。

この会合で日銀は大きな決断をしたようですね、
具体的に申し上げれば以下の2点です。

1.10兆円規模の長期国債買い入れ枠の追加設定
2.物価上昇めどを年率1%とする

まず2に関して申し上がれば、日銀が米国(FRB)に追随し、
事実上のインフレターゲットを設定したということで、
歴史的にみてこれは特筆すべき決定だったと思います。

より明確にデフレからの脱却を意識した政策にむけ、
いよいよ日銀は腹をくくったのではないでしょうか。

この方針を具体化させたものが、1の流動性供給という
ことでしょう。

今回の国債購入枠の拡大は、もちろん拡大そのものに
も意義はありますが、それ以上にインフレ率1%を達成するまで、
継続して市場にマネーを供給してゆくことを宣言したという
意味において、より重要ではなかったでしょうか。

つまりまずは10兆円、それでも物価上昇1%に至らない場合は、
さらに10兆円ということでしょう。

これを受け既に先週来、円安方向に進みつつありますが、
もっともな反応だと思います。

この決定は国内の物価上昇率という観点だけでなく、
為替という観点においても、潮目の変化点になるやも
しれません。

そしてさらに世界に目を転じれば、

昨年末ECB(欧州中央銀行)が行った50兆円のマネー供給。

そして先月末FRBが発表した、物価目標の設定とゼロ金利の
時間軸政策。

さらにはこのたびの日銀による、物価目標設定および
マネーの供給。

これで日米欧3極による、より明確な金融緩和策が出そろった
ことになります。

1990年代後半から2003年にかけ我が国で起きた金融不安、
そして2008年のリーマン・ショック、
さらには2009年以降続く欧州金融不安・・・

危機が起きる都度、先進国は金融緩和を強化して参りました。

仮にいま起きている欧州不安が解消したとしても、
それは先進国全体でみれば一時的なこと。

先進国経済の成長鈍化という根本的な問題が取り除かれない限り、
今後も信用不安は形を変え、あるいは場所を変え、
繰り返し起きるのではないでしょうか。

そしてその都度行われるであろう流動性の供給・・
かくして紙幣の価値はますます薄まり、
その対極にある実物資産の相対的価値は上昇し続ける。

ものごとが起きている途中において、
その潮目の変化を感じ取ることは容易なことではありません。

が、いち早くその潮目を読み取ったものだけが得られる果実も、
あるのではないでしょうか。

 


では、今回はこのへんで。
(2012年2月21日)


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